カジノ法案10日に審議 委員長職権で、野党反発
参院内閣委員会の柘植芳文委員長(自民党)は9日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議を10日に行うことを職権で決めた。野党は西日本豪雨の被害対応を優先するため、審議を見送るべきだと反発したが、与党が押し切った。
内閣委の審議には石井啓一国土交通相が出席するが、100人を超える犠牲者が出た豪雨災害復旧の対応もあり、審議強行に対して被災地を中心に疑問の声も上がりそうだ。
与党側は当初、安倍晋三首相が出席して質疑を実施することも提案していたが、撤回した。
政府はIR整備法案を、6月末に成立した働き方改革関連法とともに重要案件と位置付け、今国会で成立させる方針。会期末が22日に迫り、参院では6日に審議入りしたばかりで、日程が窮屈になっている。
立憲民主党の枝野幸男代表は9日午前、IR整備法案の審議中断を与党側に求め、今後の国会審議を中断する「政治休戦」を検討する考えを示した。国会内で記者団に述べた。
福山哲郎幹事長も、法案を担当する石井氏について「法案のために委員会に縛り付けておくのはありえない。災害対応に万全を期してほしい」と記者団に強調した。
〔共同〕