安藤百福賞大賞に京大森氏、たんぱく質の品質管理解明
安藤スポーツ・食文化振興財団が主催する食創会は12日、食品分野で独創的な研究をした人を表彰する安藤百福賞の表彰式を開いた。大賞には「小胞体ストレス応答の仕組みと意義の解明」で、京都大学の森和俊教授が選ばれた。賞金は1000万円。
体内の細胞には、たんぱく質を合成する際にたんぱく質が正しい構造を持つよう品質管理を行う仕組みが備わっている。森教授はその仕組みを明らかにした。
たんぱく質の品質管理が異常になると、糖尿病やがん、肝疾患、神経疾患など様々な病気を引き起こす。森教授の研究は今後こうした病気の治療法や、予防につながると期待されている。
同日開かれた講演会で森教授は「(品質管理の仕組みと)病気や老化との関連性を明らかにしたい」と今後の研究に意欲を示した。また「将来は肝臓の病気を防ぐ健康食品なども実現できる可能性がある」と話した。
森教授は2009年にガードナー国際賞、14年にラスカー賞を受賞。ノーベル生理学・医学賞の有力候補とされている。