NY商品、原油が大幅続落 米イランの武力衝突の懸念薄れ 金は11日ぶり反落
【NQNニューヨーク=張間正義】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2月物は前日比3.09ドル安の1バレル59.61ドルで取引を終えた。米国とイランの武力衝突の可能性が低下した。中東の原油供給が細るとの観測が後退し、売りが膨らんだ。
一時は59.15ドルまで下げ、昨年12月12日以来の安値を付けた。
トランプ米大統領は8日午前、前日夜のイランによる米軍のイラク駐留基地への砲撃を受けて演説した。「我々の軍事力を行使したくない」と報復攻撃を否定した。イランについても「作戦を終えたようだ」と述べ、一段の攻撃はないとの見方を示した。会見を受け、両国が武力衝突するとの懸念が後退した。
7日のイランの攻撃対象が石油関連施設でなかったことも供給懸念を招かなかったようだ。また、石油輸出国機構(OPEC)が原油の十分な供給を続ける姿勢を示したと伝わったことも売りを促した。
米エネルギー情報局(EIA)が8日に発表した週間の石油在庫統計で原油在庫が市場予想以上に増え、売り材料になった面もあった。
ニューヨーク金先物相場は11営業日ぶりに反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2月物は前日比14.1ドル安の1トロイオンス1560.2ドルで取引を終えた。米国とイランの武力衝突の可能性が後退し、地政学リスクの高まりを背景に金先物を買っていた投資家からの売りが膨らんだ。
7日夜の時間外取引で13年4月以来、6年9カ月ぶりに節目の1600ドルを上回り、利益確定の売りも出やすかった。