中国、ソロモンと国交樹立 南太平洋で影響力一段と
【北京=羽田野主】中国の王毅(ワン・イー)外相は21日、訪中したソロモン諸島のマネレ外相と北京で会談し、両国の国交を樹立する共同声明に署名した。習近平(シー・ジンピン)指導部はソロモンに台湾と断交し、中国と国交を樹立するよう働きかけていた。シーレーン(海上交通路)の要所にある南太平洋で中国の影響力が強まるのは必至だ。
国営新華社が伝えた。ソロモンはオーストラリアの北東に位置し、日本が豪州から石炭や鉄鉱石などを輸入するルートにも重なる。中国がソロモンの港を拡張し、軍事基地の建設を計画しているとの指摘も出ている。
南太平洋の島しょ国・キリバスも20日に台湾と断交した。近く中国と国交を結ぶ方向だ。
習指導部は10月1日の建国70周年を前に、南太平洋の国々と国交樹立を働きかけている。ツバルなどにも「断交ドミノ」が波及する可能性がある。ソロモンは米領グアムにも近く、中国の軍事拠点ができる事態になれば西太平洋における米軍の優位が揺らぎかねないとの見方もある。