北朝鮮南部にミサイル基地、日本を射程か 米研究所
【ワシントン=永沢毅】米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は6日、北朝鮮南部にある中距離弾道ミサイルの秘密基地に関する分析結果を発表した。北朝鮮が公表していない約20カ所あるとみられるミサイル施設の1つで、有事には日本本土を射程に入れた1千キロメートル級のミサイルを運用する可能性があるという。
基地は1991年ごろから建設が始まったとみられ、ソウルから北東に165キロメートル離れた「クムチョンニ」と呼ばれる場所にある。当初は射程500~600キロメートルの短距離ミサイルを運用していたが、その後に1千キロメートル級の中距離ミサイルを格納するようになったとされる。
CSISは射程2千キロメートルの「北極星2号」など新型の中距離ミサイルを配備した場合、日本全土を射程に収める可能性があると指摘した。米朝の非核化交渉の議題になっているかは不透明だが、CSISは「将来の米朝合意には北朝鮮のミサイル基地の申告や検証、解体も対象に入れなければいけない」としている。
北朝鮮は5月以降に短距離弾道ミサイルなどの発射実験を繰り返し、ミサイルの精度向上を図っているとみられている。トランプ大統領は米本土への脅威にならないとして容認する姿勢を示しているが、それが北朝鮮の挑発行為を助長しているとの指摘もある。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。