中国共産党員、9000万人突破、全人口の6%
【北京=高橋哲史】中国共産党の中央組織部は6月30日、1日の党創設98周年を前に、2018年末時点の党員数が初めて9千万人を突破したと明らかにした。ドイツの人口(約8300万人)を上回る世界最大の政治集団は、習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)を頂点に存在感を増している。
中央組織部の統計によると、18年末時点の党員数は前年末より103万人多い9059万人だった。国民の16人に1人が党員という計算になる。うち女性は3割弱の2467万人。学歴別では大卒以上が4494万人でほぼ半分を占める。
1921年の結党時に50人あまり、49年の新中国建国時に約450万人だった党員はその後、毛沢東の拡大路線の下で急増した。2002年には当時の江沢民総書記が企業家の入党を認め、増勢に弾みがついた。
ただ、習氏は総書記に就いた直後に「いまの入党基準は厳格さを欠く」とし、党員の「質」を重視する方針を打ち出した。党員の汚職が深刻な問題になっていたためだ。これを機に入党審査が厳しくなり、党員数の伸びは大幅に鈍化している。
14億人の人口を抱える中国では、共産党員が9千万人を超えたといっても全国民の約6%にすぎない。習氏は「党が一切を指導する」として党への権力集中を進めており、少数のエリート集団である共産党が大多数の国民を支配する構図は強まっている。