中国合金大手、タイに工場新設 米中摩擦で生産分散
【バンコク=村松洋兵】中国の超硬合金メーカー大手、厦門金鷺特種合金(GESAC)がタイに進出する。タイ東部に設ける同社初の海外工場で切削工具向けの超硬合金を生産し、米国などに輸出する。3~4年かけて約25億バーツ(90億円弱)を投資する。米国の対中追加関税の影響で中国から米国への輸出が難しくなっており、タイに生産を分散する。
23日にタイの工業団地大手のWHAインダストリアル・ディベロップメントと、土地購入とレンタル工場の賃貸に関する契約を結んだ。タイ東部ラヨーン県に新工場を設ける。まずレンタル工場で年内に生産を開始し、2021年に新しく建設した工場を稼働させる。
工場では主にタングステンを原料とした超硬合金を生産する。切削工具向け材料として大部分を米国に輸出する。タイ国内や周辺の東南アジア諸国にも出荷する。年産能力800トンで操業を開始し、将来は1500トンまで高める計画だ。
GESACは中国国有企業で、タングステン粉末の製造では世界最大規模の生産量を誇る。
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