トランプ氏、印パ両首相と電話 緊張緩和を要請
【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは19日、トランプ大統領がインドのモディ首相、パキスタンのカーン首相とそれぞれ電話協議したと発表した。トランプ氏は両国が領有権を争うカシミール地方の情勢を巡り「緊張を緩和すべきだ」と伝えて双方に自制を求めた。印パの対立が地域情勢を不安定にしかねないとトランプ氏も懸念を強めているようだ。
ホワイトハウスによると、トランプ氏はモディ氏との電話でカシミール情勢を念頭に「地域の平和が維持されることが重要だ」との考えを伝えた。両首脳は貿易拡大を通じて経済関係を深める方針で一致し、近く会談することも申し合わせた。
インド政府によると、モディ氏は「地域のある指導者が反インドの扇動をしているが、それは平和にはつながらない」との考えを示した。カシミール地方を争うパキスタンのカーン氏を批判する発言だ。
トランプ氏はカーン氏との電話では、カシミール情勢について言動を抑えめにするよう求めたうえで「双方が自制すべきだ」との立場を伝えた。トランプ氏は16日にもカーン氏と電話したばかりだ。
インドでは8月上旬に北部ジャム・カシミール州に自治権を認める憲法の規定を削除して連邦直轄地とする改正案が成立した。領有権を争うパキスタンが強く非難している。