アディダス、単一素材のスニーカー 100%再生可能に
【ニューヨーク=河内真帆】独アディダスは17日、靴底から靴ひもまで全て単一の素材で製造したスニーカーを披露した。摩耗して履けなくなっても、特殊なリサイクル技術を使うことで完全な新品に再生できる。同社はこれまでもプラチックごみから運動靴や衣料品をつくる技術の開発を進めてきたが、「履き古した靴を捨てるという概念をなくしたい」(グローバルブランド担当役員のエリック・リッキー氏)と意気込む。
開発したスニーカーは熱可塑性ウレタン(TPU)だけでできた靴の本体、ひも、靴底など12のパーツで構成。履けなくなった後は細かく裁断してペレット状に熱加工し、靴の原料に再生する。価格は未定だが、2021年春以降に全世界で発売する計画だ。
通常、スニーカーは平均10~12の素材を使い、70以上のパーツからなる。アディダスは10年かけ機能性やデザイン性を損なわず、コスト面でも採算のあう技術の開発にこぎ着けた。
アディダスは17年から海洋環境の保護団体「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ」と協力し、海洋プラごみなどを利用した衣料品やスニーカーの製造に取り組んできた。