北朝鮮、米国との対話「期待薄れる」
【ソウル=島谷英明】北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は31日、膠着が続く非核化をめぐる米国との対話について「われわれの期待はだんだん消えていっている」との談話を発表した。「今までとってきた全ての措置を再検討せざるを得ない状況に押しやられている」とも主張した。朝鮮中央通信が伝えた。米国から制裁緩和を引き出すための揺さぶりの一環とみられる。
談話は、ポンペオ米国務長官が最近「北朝鮮のならず者の振る舞いを看過できない」と語ったとして「無謀な発言だ」と批判した。どんな意図のある発言なのか見守るとしたうえで「われわれの忍耐心をこれ以上試そうとしないほうが良いだろう」とけん制した。
北朝鮮は23日にもポンペオ氏の「強力な制裁を維持する」との発言について、李容浩(リ・ヨンホ)外相が「米国が対決姿勢を捨てず、制裁で我々と対立しようとするなら、それは誤算だ」と批判する談話を発表した。
米朝首脳は6月末の板門店での会談で、非核化に関する実務協議の再開で合意した。だが再開に向けた調整は進んでいない。北朝鮮は8月の米韓合同軍事演習に反発し、7月末から繰り返し短距離弾道ミサイルなどを発射している。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。