知床に不法投棄監視カメラ 国内の世界自然遺産で初
世界自然遺産の北海道・知床(羅臼、斜里両町)で不法投棄が相次いでおり、斜里町が監視カメラを近く設置する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。国内の世界自然遺産区域内に不法投棄を監視する目的でカメラが設置されるのは初めて。
斜里町では生ごみのほか、タイヤや電化製品などの不法投棄が相次ぐ。景観を損ねるうえ、生ごみを食べたヒグマが餌を求めて人里近くまで現れやすくなることが指摘されるため、対策が急務となっていた。
監視カメラは車や動物などをセンサーで感知し作動する仕組みで、町は以前不法投棄があった場所近くの木に4台を設置。国道から見える位置に置くことで抑止効果が期待される。これまで注意喚起する看板を設置してきたが、十分な効果はなかった。
町の担当者は「カメラまで置かなければならないのは残念だがやむを得ないと判断した」と話している。
一方、羅臼町は「不法投棄はゼロではないが、斜里町ほど多くなく現時点ではカメラ設置は検討していない」としている。
白神山地や屋久島といった国内の世界自然遺産がある他の自治体では、目立った不法投棄は確認されておらず、不法投棄を監視する目的のカメラは設置していない。〔共同〕