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金融所得課税が見逃した胎動 投資家=金持ちの短絡

知っ得・お金のトリセツ(65)

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岸田文雄首相は就任7日目、肝煎りと思われた金融所得課税の強化をあっさり「当面考えない」と軌道修正した。自民党総裁選では格差是正につなげる分配政策の財源と位置づけ、就任会見でも「選択肢の一つ」としていた割にあっけない幕引き。朝令暮改に追い込まれた一因には、急速に多様化が進む「今どき投資家」への理解の欠如がある。「『株をやる』のは金持ち」といった旧態依然とした認識では、膨らむ将来不安に立ち向かうため投資を武器に活路を切り開こうとしている新しい投資家層の息吹を殺してしまいかねない。

手取り20万円、生活費5万円の「投資家」

首都圏在住の派遣社員Aさん(26歳)は手取り20万円の投資家だ。節約して生活費を5万円程度に抑え、毎月10万円以上は必ず投資に回す厳しいルールを自らに課している。柱に据えるのが2つの税制優遇、「ニーサ(NISA)」と「イデコ(iDeCo)」。まず毎月3万3333円を積立型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に振り向ける。額が半端なのは、年40万円というつみたてNISAの非課税枠を12カ月で割って1円単位まで意識して使い切るため。さらに毎月クレジットカード払いで自動引き落としにすると333ポイントが還元される「ポイ活」にも余念がない。ツイッター上のキーワード「3万3333円」でつながる仲間たちと情報交換しながら、つみたてNISAの非課税期間である20年後を見据えて資産形成に励む。

コロナ禍で大きく増えたつみたてNISA口座数

一般NISAに4年遅れて2018年に始まったつみたてNISAが新型コロナウイルス下で急速に口座数を伸ばしている。金融庁が8日に発表した最新のデータによると、今年6月末の口座数は417万口座と1年間で7割増加した。特に伸びが著しいのが20~30代だ。20代の口座数は約81万口座と1年間で倍増し、年齢別では最も構成比率の高い30代の口座数も118万弱と8割以上伸びて全体をけん引している。1カ月の積立平均額は全体では1万5000円程度だが、特にネット証券ではAさん的今どき投資家も多く、楽天証券の場合半数以上が月3万円超を積み立て投資しているという。

当然生活は楽ではない。だが投資を「格差社会の日本で生き抜く一発逆転の切り札」と信じて生活を律する。資産運用の勉強にも余念がないが、情報源はもっぱら無料で視聴できるYouTubeだ。そんなAさんが最近YouTubeで気になる情報に接した。

税改正で「iDeCoで大損」? 

「特別法人税復活でイデコで大損!?」――。個人型の確定拠出年金であるイデコはNISAよりも年金の性格が強く原則60歳まで引き出せない非課税枠で、Aさんも月2万円を拠出する。運用中の非課税措置に加え、拠出時と受け取り時にも税優遇があるのが魅力の私的年金の器だが、実はイデコに限らず企業年金も含めた年金積立金全般は本来であれば税率1.173%の特別法人税が課される対象だ。

株価低迷に配慮して1999年度以来、課税が凍結されたままだが廃止はされていない。2~3年程度の凍結期間が切れそうになるたび延長され、今に至る。もし株価上昇やイデコ口座の普及に鑑み復活されるようなことがあれば「大損するからイデコはやめとけ」という主張らしい。

定まらない「税の土台」に増す不信感

もちろん眉唾情報だ。残高に対する1%超の税金は小さくはないとはいえ、投資元本まで割り込んで「大損する」ことはありえない。課税で圧縮されることはあっても、堅実に長期分散積み立て投資を続ければ4~5%程度のリターンが見込めると過去のデータは示す。特別法人税を理由にイデコと距離を置く必要は全くない。

とはいえ……。今回の金融所得課税の議論も含め、税制次第で「ハシゴを外される」リスクは否定できない。NISAにしてもいまだに恒久化された制度ではなく時限立法の建て付け。恒久化を進める立場の金融庁もここ数年は税制改正要望への盛り込みをやめている。あやふやな税の土台の上では何十年にも及ぶ資産形成を安心して行えない。せっかく「非課税」に魅力を感じて集まりつつある今どき投資家を大事に育てていくことこそが、「新たな資本主義」につながるはず。「聞く耳」を持つ岸田首相が素早く方針転換したのは間違っていない。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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