NY商品、原油4日続伸 米在庫減の観測や中東情勢の不透明感で
【NQNニューヨーク=古江敦子】9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が4日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の8月物は前日比0.17ドル高の1バレル57.83ドルで終えた。10日発表の米週間統計で原油在庫の減少が続くとみる市場関係者が多く、買いを促した。中東情勢の不透明感も買い材料だった。
ダウ・ジョーンズ通信のまとめでは、シティグループや米国みずほ証券など市場関係者の多くが前週末の米原油在庫が4週連続で減ったと予想した。製油所の稼働率が上昇したのが背景にあるようだ。米ドライブシーズンでガソリンの在庫減も見込まれている。
イランの有力国会議員が米国の同盟国であるイスラエルへの攻撃に言及したのに対し、同国のネタニヤフ首相が9日に対抗姿勢を示したと伝わった。中東情勢が一段と悪化すれば、同地域の原油供給に悪影響が及ぶとの見方も先物買いにつながった。ロイター通信が9日、「ロシアの7月上旬の原油生産が3年ぶりの低水準となった」と伝えたのも相場を支えた。
ただ、相場の上値は限られた。米エネルギー情報局(EIA)が9日発表した7月の短期エネルギー見通しで、2019年の世界の原油需要予想を前月から下方修正した。需要の弱さを見込む売りを誘った。
金先物相場は3営業日ぶりに小反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である8月物は前日比0.5ドル高の1トロイオンス1400.5ドルで終えた。相場下落が続いた反動で持ち高調整の買いがやや優勢となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を10~11日に控え様子見ムードが強く、方向感が出にくかった。
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