丸紅、ギガソーラー稼働 UAEで世界最大級の太陽光

丸紅は1日、アラブ首長国連邦(UAE)で世界最大級の太陽光発電所を稼働したと発表した。出力は117万キロワットで、3百万枚の太陽光パネルを使う。発電所の面積は7.9平方キロメートルと東京ドーム約170個に相当する。砂漠地帯は広大な土地が安く手に入り、日射量も多い。化石燃料が豊富な中東でも太陽光という新たな資源の活用が始まる。
UAEのアブダビ首長国で「スワイハン太陽光発電所」の営業運転を始めた。総事業費は約1千億円とみられる。25年にわたり現地の電力公社に売電する。出力が100万キロワットを超える太陽光発電所は珍しい。100万キロワットはワットに変換すると「1ギガワット」となることから、「ギガソーラー」とも称される。
今回の事業では丸紅は全体の20%を出資し、日系のメガバンクなど計8行の銀行による融資を取り付けるなど開発を統括した。そのほかは、太陽光パネル最大手メーカーの中国ジンコ・ソーラーが20%と現地の国営大手電力会社が60%を出資した。ジンコ製の太陽光パネルを使い、同社が技術面を支援している。
7.9平方キロメートルの面積は東京都国立市など日本国内の小規模自治体の面積に相当する。自動走行で太陽光パネルを清掃するロボットなどを取り入れており、効率的に管理できる。
産油国の中東でも太陽光発電の開発が進む。貴重な輸出資源となる石油や天然ガスは国内で発電に使うよりも輸出に充てたほうが利益が大きい。中東は日射量が豊富なうえ、砂漠地帯では土地収用など地権者との利害調整が少なく、発電コストを安く抑えられる。
スワイハン発電所は1キロワット時あたり2.42セント(約2.6円)で契約しているとされ、天然ガスなどよりも安いという。
国際エネルギー機関(IEA)によると、中東全体の太陽光発電所の導入規模は2017年に計100万キロワット規模だった。25年には1200万キロワット、30年には2900万キロワットと今後の増加が見込まれている。