対米15年戦争も 習近平氏が「長征」に込めた真意
編集委員 中沢克二
米大統領のトランプが東京で米中貿易協議の早期合意は困難という認識を示した頃、中国でも議論が巻き起こっていた。「習近平(シー・ジンピン)指導部が単に強硬一辺倒に転じたとみると誤る。場合によっては『トランプとの正面戦争を避けて一時撤退する』とも言っている。真の目的は2035年までの対米『15年戦争』で最後に勝利を手にすることだ」。中国の政策研究者が不気味な解釈を披露する。
議論の対象は、国家主席の習...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。