人と会社の「寿命」が逆転 大転職時代の足音
編集委員 西條都夫
経済界のトップから日本的雇用慣行の中核ともいえる終身雇用について問題提起が相次いだ。中西宏明経団連会長(日立製作所会長)は5月7日の会見で「終身雇用を前提に企業経営、事業活動を考えるのは限界。外部環境の変化によって働き手はこれまでの仕事がなくなる現実に直面している」と述べた。
これに呼応するかのように、トヨタ自動車の豊田章男社長も「企業へのインセンティブがもう少し出てこないと、終身雇用を守るのは難しい局面」と日本自動車工業会の会見で表明した。2人の言葉は、令和時代の日本の雇用がどう変わるのかを示唆する予言的な重みがある。
「企業の寿命は30年」とかつて言われたが、今ではさらに短い。米調査会社のイノサイトなどの調べによると...