リクルートHD社長に45歳の出木場氏 海外事業が課題
リクルートホールディングスは13日、出木場久征副社長(45)が4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格すると発表した。峰岸真澄社長(56)は代表権を持つ会長兼取締役会議長に就く。主力の人材サービス分野に米IT大手も参入するなか、新社長のもとデジタル技術の取り込みや海外スタートアップの買収を進める狙いだ。
社長交代は9年ぶり。出木場氏は「ホットペッパービューティー」のオンライン予約システムの発案や、ウェブ閲覧履歴などに基づき求人情報を表示する検索サイト運営の「インディード」の買収を2012年に手掛けた。同社のCEOに就任し業績を拡大させ、リクルートのデジタルシフトを進めてきた。峰岸社長は「グローバルな視座を持った経営者」と出木場氏に期待をかける。
リクルートは11年ごろから海外展開を強化しており、欧米の人材スタートアップを中心に積極的にM&A(合併・買収)を仕掛けてきた。当時数%台だった海外売上高比率は20年3月期に約45%まで引き上げた。時価総額は7兆円と14年の株式公開当時から約4倍に拡大した。
成長にはM&Aなどを通じてテック企業としての色合いをさらに強める必要がある。人材サービスには「GAFA」など米IT大手も参入する。出木場氏は「(米IT大手と比較して)リクルートはまだまだ中小企業」と自社を位置づけた上で「(人材サービスに関する)いいテクノロジーを持った会社と積極的に話をしたい」と意気込む。
国内では決済サービス「Airペイ」などに代表されるSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業などの拡大も狙う半面、足元ではコロナ禍による求人需要や広告出稿が減少している。21年3月期は最終減益を見込んでおり、峰岸社長は「先行きへの不透明感はある」と不安を語った。新社長のてこ入れに期待がかかる。
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