インドネシア、査証免除や空港発給を1カ月停止 20日から
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア政府は17日、日本を含む約170カ国・地域からの訪問者に認めている入国査証(ビザ)免除や、約70カ国・地域を対象とする空港でのビザ発給を停止すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた臨時措置で、20日午前0時(日本時間20日午前2時)から1カ月間実施する。入国には事前のビザ申請が必要となり、実質的に外国からの渡航を制限する。
インドネシア外務省によると、日本から商談などで訪れる出張者や観光でバリ島などを訪れる旅行者も、東京の大使館などでのビザ申請が必要になる。申請時には健康証明書の提出を求める。日本人はこれまで観光目的の入国ではビザを免除されていた。出張者は空港ですぐに取得できる「到着ビザ」を申請するケースが多かったが、当面はビザ取得のための手間と時間がかかる。
インドネシアは中国本土に加え、韓国、イタリア、イランの一部地域に14日以内に滞在した外国人の入国を拒否している。20日から新たに英国やドイツ、フランス、スペイン、スイス、バチカンに滞在した外国人の入国を禁ずるほか、イタリアとイランは対象を一部地域から全土に拡大する。
インドネシアでは17日までに172人の感染が確認され、5人が死亡した。2日に初の感染者が明らかになって以降、感染者数が速いペースで増えている。感染拡大を防ぐには外国からの渡航の一定の制限が必要と判断した。
東南アジアの周辺国では、感染防止のために外国人の入国を全面的に禁止する国もある。フィリピンは20日、マニラ首都圏を含むルソン島の全空港を閉鎖し、外国人の入国を事実上禁止するほか、マレーシアは18日から31日まで、全土で外国人の入国禁止措置をとる。両国は対象地域内での住民の外出も制限している。
インドネシアでも国外からの流入を規制する議論が一部では出ている。ただ経済への影響が大きすぎることなどから、ジョコ政権は慎重な構えを崩していない。
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