NY商品、原油が小反落 世界景気の減速懸念が重荷
【NQNニューヨーク=岩本貴子】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小幅に反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比0.11ドル安の1バレル62.99ドルで取引を終えた。米国を巡る貿易摩擦の影響で、世界経済が一段と減速するとの懸念が売りにつながった。
経済協力開発機構(OECD)は21日公表した経済見通しで、2019年の世界の経済成長率を3.2%と前回(3.3%)から下方修正した。米国と主要な貿易相手国の間の衝突が企業の設備投資を下押しする。原油需要が伸び悩むとの見方を招いた。
中東情勢の不透明感が相場の支えになった。ロイター通信は21日、「イランのロウハニ大統領が、米国と交渉する意向はないと述べた」と伝えた。20日にトランプ米大統領がツイッターで「(イランは)準備が整えば米国に交渉を要請してくる」と投稿したが、言下に否定した形だ。米・イランの対立が激化し、中東の原油供給に悪影響が出るとみた買いが入った。
ニューヨーク金先物相場は小幅に反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比4.1ドル安の1トロイオンス1273.2ドルで取引を終えた。主要通貨に対してドルが上昇し、ドルの代替投資先とされる金先物には売りが優勢だった。