「コロナ米軍陰謀説は的外れ」中国が操る二枚舌外交の怪
編集委員 中沢克二
「当初、劣勢だった中国は、先回りして米国に予防的な敵地先制攻撃を仕掛けた。その一つが、中国のスポークスマンがツイッターで中国外に広めた『新型コロナウイルスは米軍が武漢に持ち込んだ』という説だ。実際、この米軍陰謀論を信じさせたい本当の対象は中国内にいた」。北京の政・官界に通じる関係者の鋭い洞察である。
米大統領のトランプから「中国ウイルス」という命名まで引き出す結果となった中国外務省副報道局長、趙...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。