社食で「揚げ物税」 ヤフー、健康経営を推進
ヤフーは8日、社員食堂で揚げ物料理の一部を100円値上げする「揚げ物税」を導入した。揚げ物料理を値上げする一方、「お魚還元」と称して魚料理を150円値下げした。脂質が多く含まれる揚げ物料理を控え、コレステロールを減らす働きがある魚料理を薦めて社員の健康の増進につなげる。独自の課税と還元制度により、健康経営を推進していく。
同社の社食で8日から「チキン南蛮 自家製タルタルソース」を100円値上げして691円に、「鯖(サバ)の味噌煮と具沢山けんちん汁」を150円値下げして543円にした。ほかの揚げ物料理や魚料理の価格改定は今後検討していく。
ヤフーの調査によると、同社の社員は昼食で脂質を取り過ぎる傾向にあるという。社食では揚げ物などの肉料理が、煮魚など魚料理の約3倍食べられているそうだ。脂質の取り過ぎは肥満やメタボリックシンドロームなどにつながり健康リスクを高める。社員に食生活の改善を促すために、消費増税のタイミングで「揚げ物税」と「お魚還元」の導入が決まった。
社食で煮魚の定食を頼んだヤフー社員の宮原淳治さん(37)は「150円の値下げでも毎日積み重ねると結構な節約になる。魚料理に手を伸ばしやすくなる」と施策を前向きに受け止めた。仕掛け人で管理栄養士の資格を持つ、ピープル・デベロップメント統括本部の沼田瑞木リーダー(39)は「社員の健康は生産性の向上につながる」と話した。
ヤフーの社食では2016年から食器裏のチップに栄養素情報を入れ込み、社員の摂取した栄養素を把握するデータ分析に取り組んできた。企業が従業員の健康に配慮する「健康経営」が注目を集めるなか、社食から健康に配慮した職場作りを進めている。
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