5G基地局整備で税軽減 計画前倒しなら 総務省要望
総務省は2020年度税制改正で、次世代通信規格「5G」の携帯電話基地局を整備する企業に対する法人税や固定資産税の軽減を要望する。NTTドコモなど携帯4社が計画を前倒しして整備する場合や地域限定で通信する「ローカル5G」の基地局が対象だ。20年春の5G商用化を見すえ、普及を後押しする。
28日に開いた自民党総務部会に示した。財務省などに要望する。全国で5Gサービスを予定するドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社は総務省に20~24年度の年度ごとの整備計画を提出している。設置数が年度計画を上回った分を減税の対象とする。
投資額の一定割合を法人税額から引いたり、通常より速いペースの減価償却を認めることで法人税負担を軽くしたりする。基地局にかかる固定資産税の税率も下げる。
NECやパナソニックなどが参入を予定するローカル5Gの基地局も対象とする。総務省は20年にローカル5Gに割り当てる周波数を大幅に広げる予定だ。減税で多くの企業の参入を促す。個人事業主が整備する場合は所得税を減らす。
20年度予算の概算要求は一般会計で17兆1928億円と19年度当初予算より5633億円多い。自治体に配る地方交付税の原資として16兆4246億円を求める。5G基地局や光ファイバー回線などのインフラ整備の補助金は132億円を計上する。機密情報をハッカーに盗まれないように送る次世代暗号技術「量子暗号」の研究開発費として15億円を要求する。