大阪市長選、松井氏が初当選 維新がダブル選制す
吉村洋文前市長の辞職表明に伴う大阪市長選は7日投開票され、大阪維新の会代表で新人の前大阪府知事、松井一郎氏(55)が、無所属新人で元市議の柳本顕氏(45)=自民推薦=を破り、初当選を決めた。投票率は52.70%で、前回の50.51%を2.19ポイント上回った。
維新が結党以来の看板政策として掲げる「大阪都構想」の是非が最大の争点となった。松井氏は知事選に立候補した吉村氏とともに二人三脚で支持を呼びかける選挙戦を展開し、「府市一体で改革に取り組んできた」と強調。2025年に大阪で開く国際博覧会(大阪・関西万博)や地下鉄民営化などの実績をアピールして維新支持層などの票を手堅くまとめた。
2回目の市長選に挑んだ柳本氏は、前回15年の選挙で自主投票だった公明党の府本部など与野党の地方組織の支援を受けた。「反維新」の姿勢を鮮明にし、府議や市議などと街頭で「都構想の議論を終わらせる」と訴えたが、出馬表明が告示直前だったこともあり支持に広がりを欠いた。
都構想は大阪市を廃止し、東京23区のような「特別区」に再編する制度改革。都構想の賛否を問う住民投票を巡る維新と公明の交渉が決裂したことを受け、松井氏と吉村氏は3月上旬、「公約を実現できなくなった。市民に信を問う」として任期途中での辞職を表明。同じ立場で立候補すると、当選しても年内に再び選挙が必要となるため、知事と市長を入れ替えて立候補した。
◇
(まつい・いちろう)福岡工業大卒。大阪府議、知事。大阪府出身、55歳。初当選
4年に一度の統一地方選。2019年は統一地方選と夏の参院選が12年に一度重なる「亥(い)年選挙」だった。