フィリピン、外出制限を18日間延長 新型コロナ感染抑止
【マニラ=遠藤淳】フィリピン大統領府は7日、ドゥテルテ大統領が北部ルソン島に敷いた外出・移動制限措置の期限を現在の12日から30日に延長することを決めたと発表した。新型コロナウイルスのまん延を抑えるために導入し、3週間が経過したが、感染拡大に歯止めがかかっていない。引き続き行動制限を市民に求め、封じ込めを急ぐ。
ドゥテルテ大統領は3月17日、外出・移動制限をルソン島に導入した。食料品を買いに行く場合などを除いて原則として外出せず、居住地域からも出ないよう求めた。今月12日までの予定だったが、新型コロナ対策に取り組む省庁横断組織の進言を受け、延長することを決めた。
外出・移動制限の導入後、外を出歩く人は大幅に減り、街中は閑散としている。だが、新型コロナの感染拡大のペースは鈍化しておらず、6日には新たに414人の感染が判明し、累計で3660人に増えた。死者は163人に上る。ノグラレス大統領府長官は7日、「今、制限を解除すれば、感染が急拡大するだろう」と危機感を示した。
だが、多くの企業が操業を休止するなどして経済活動が停滞し、市民の間には疲弊感も漂っている。仕事ができず収入が途絶えた人も多く、首都マニラでは1日、外出制限に違反し、食料の配給を求めるデモが発生。21人が当局に逮捕されている。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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