LNGとは 液化天然ガス、アジア新興国で需要増
きょうのことば
▼LNG 液化天然ガス(LNG)はメタンガスをマイナス162度に冷却して液体にしたもの。液化すると体積が気体の600分の1になり、専用のLNG船で一度に大量に運べる。燃焼したときに発生する二酸化炭素(CO2)が化石燃料の中でも特に少ない。
日本では約半世紀前に米アラスカ州から東京電力などが輸入を開始し、本格的な利用が始まった。発電所や工場の燃料として消費量が世界的に増えており、特にアジアの新興国を中心に需要の増加が見込まれる。カタールが世界最大の輸出国だが、19年にはオーストラリアが追い抜くとみられる。
米国では2000年代半ばから技術革新で「シェール革命」が起き、経済的に見合うコストで生産できるようになった。LNGの生産が増えれば原油など他のエネルギーの価格にも影響を与える可能性があり、覇権争いが激化している。ロシアは航路を使って夏季には東南アジアにも輸出できる、北極圏でのLNG開発を進めている。ロシア産がアジア市場で競争力を高めるには輸送コストの低減が必要で、中継基地をつくるといった構想もある。