ミャンマー議会、軍人枠削減案を否決 改憲採決初日
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー連邦議会は10日、憲法改正案の採決に入った。議会の軍人議員の比率を現在の25%から段階的に引き下げる改正案が最大の焦点の一つだったが、改憲に必要な75%の賛成を得られず否決された。採決は9日間かけて行い、20日までに全項目の結論を出す見通しだ。
改憲案は上下両院議員で構成する連邦議会で採決する。与野党が提案した計135項目についてそれぞれ賛否を問う。
初日は14項目を採決し、憲法上の障害者や老齢者の表現を変更する2項目は可決した。一方、アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟が求めてきた軍人枠の削減のほか、非常事態時の国軍最高司令官の権限の縮小など他の項目は全て否決した。秘密投票のため各党派の賛否は明らかになっていない。
ミャンマーの憲法は2008年に旧軍事政権が制定した。改憲には連邦議会の75%超の賛成を得たうえで、一部の条項は国民投票での過半数の賛成が必要となる。現状では軍人議員が25%を占めているため、国軍の同意なしでの改憲は事実上できない。