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台湾蔡政権「一国二制度を受け入れず」と反発 全人代報告に

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【台北=伊原健作】台湾の蔡英文政権で対中国大陸政策を担う大陸委員会は5日、「(統一の際に台湾側に高度な自治を保障するなどとする)『一国二制度』を絶対に受け入れない」との声明を出した。中国の李克強首相が全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、「一国二制度」を柱とする習近平国家主席の台湾統一戦略を強調したことに反発した。

中国の李首相は同日、全人代での政府活動報告で、「台湾独立をもくろむ分裂の画策に断固として反対し、食い止め、国家の主権と領土を保全する」と述べ、台湾独立志向を持つ民主進歩党(民進党)の蔡政権をけん制した。また習主席が1月、「一国二制度」を用いて中台の平和統一を推進するなどとした談話に言及し、「(談話の)精神を全面的に貫徹・実践する」と強調した。

これに対し台湾の大陸委は声明で、中国が台湾の「主権と尊厳、民主主義体制を深く傷つけようとしている」と反発。「武力による威嚇や(台湾内部の)分断を図る誤った統一工作をやめることでしか、両岸(中台)の良き交流の助けにならない」とした。

2016年に発足した蔡政権は独立志向を封印して中国との対話を模索したが、中国の圧力を背景に5カ国との外交関係を失うなど苦境にある。統一のプロセスを具体的に進める姿勢を鮮明にする中国との間で、非難の応酬が激化している。

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