NY商品、原油続落し再び50ドル割れ 新型肺炎の影響を警戒 金は上昇
【NQNニューヨーク=張間正義】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前週末比0.75ドル安の1バレル49.57ドルで取引を終えた。中国の新型肺炎で同国を中心に企業活動が減速し、原油需要を抑えかねないとの見方から売りが優勢になった。
一時は49.42ドルまで下げた。昨年1月上旬以来ほぼ1年1カ月ぶりの安値を付けた4日以来の安値水準。
中国では新型肺炎の感染者と死者が増加している。シンガポール政府は7日夕に新型肺炎の警戒レベルを引き上げた。1~3月期の中国や米国などの経済成長が鈍化し、原油需要に影響するとの懸念が出ている。
1~3月期の米国の実質国内総生産(GDP)の伸び率は1%台前半と、19年10~12月期の2.1%から減速するとの予測が増えている。需要懸念で天然ガスの先物価格が大幅に下げたのも原油先物への売りにつながった。
ニューヨーク金先物相場は4日続伸した。。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前週末比6.1ドル高の1トロイオンス1579.50ドルで取引を終えた。新型肺炎に対する懸念が強まるなか、相対的に安全資産とされる金先物には買いが入った。