ドコモ、ABCクッキングスタジオ売却 相乗効果薄く
NTTドコモは22日、子会社の料理教室大手ABCクッキングスタジオ(東京・千代田)の全株式を同社の既存株主に売却すると発表した。ドコモの事業との相乗効果が薄かったため。多角化を目指し異業種の買収を進めたドコモの戦略は、大きな成果を得られず見直しを迫られた。
ドコモは2014年に約200億円でABCクッキングスタジオの51%の株式を取得し、同社を買収した。
買収後、料理教室のコンテンツとドコモのサービスの融合などを進めて、一定の成果を得たとする。しかし、料理事業を拡大するにはABCが主導した方がよいと捉え、資本提携を解消することを決めた。株式売却額は買収額と同程度の約200億円になる見込み。3月中に譲渡する予定。
ドコモは12年に買収した食品宅配大手らでぃっしゅぼーや(東京・新宿)も18年にオイシックスドット大地(現オイシックス・ラ・大地)に売却している。同社は11年に公表した中期計画で、モバイルを核にした総合サービス企業への進化を打ち出していた。この計画に基づいて買収した異業種企業は相次いで売却されることになった。