北海道の震度6弱、転倒で5人軽傷 厚真町では雪崩
北海道で21日夜に発生した地震で、道は22日、苫小牧市の80代と40代の女性、30代男性が転倒して軽傷を負ったと明らかにした。登別市と札幌市の70代男性も負傷し、けが人は5人。震度6弱を観測した厚真町では22日、水道管破損の影響で67戸で断水が続いた。道
は、厚真町幌里、幌内両地区で小規模な雪崩を確認し、人的被害や巻き込まれた建物はなかったと発表した。
苫小牧市などによると、同市内の負傷者のうち40代女性と30代男性は、トヨタ自動車北海道の工場従業員で避難中だった。
JR北海道によると、地震を受けた線路の安全確認などの影響で22日は特急列車など計58本が運休。21日夜、駅間に停止した複数の列車は、22日未明までに駅に移動し、乗客が閉じ込められた状況は解消した。札幌市によると、地震後に点検のため運転を見合わせていた市営地下鉄は22日朝、全線で運転を再開した。
厚真町によると、豊沢地区の67戸の断水は完全復旧まで数日かかる見通し。町は住民に非常食と水を配布した。町職員が雪崩の発生状況を調べたところ、家屋や道路に影響はなかった。厚真町では昨年9月の地震の際、大規模な土砂崩れで36人が犠牲になった。
気象庁によると、今回の地震の震源は、昨年9月の地震の震源から北に約10キロ。9月以降、震度1以上の地震が300回以上発生し、10月には震度5弱を観測するなど、周辺の南北約30キロの領域を中心に活動が続いている。気象庁は当初、今回の地震の規模をマグニチュード(M)5.7としていたが、5.8に修正した。
関係機関は昨年9月の地震と全域停電を教訓に対応に当たった。厚真町は昨年11月に開設したLINE(ライン)の公式アカウントで、避難所の開設情報などを発信。札幌市は地震発生の約1時間後に地下通路を開放し、毛布や非常食を配ったほか、スマートフォンの充電スペースも設けた。〔共同〕