比へのワクチン外交、ロの思惑
コラムニスト・作家 リチャード・ヘイダリアン氏
フィリピンのドゥテルテ大統領が8月、ロシアから新型コロナウイルスのワクチンの供与を受ける意向を表明した。ニュースに対する反応は、懸念や嘲笑さえ入り交じったものだった。欧米の専門家らはロシアの拙速ともいえるワクチン承認に警鐘を鳴らし、フィリピン国内では(10月の治験開始計画に)警戒も広がった。
ロシアのプーチン大統領の実験台になろうとするドゥテルテ氏の姿勢から、東南アジア地域を揺るがす地政学的な再...
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