脱炭素とエネルギー政策(2) 変容するエネルギー安保
京都産業大学教授 藤井秀昭
過去30年、世界ではエネルギー安全保障に関わる大きな出来事が相次ぎました。米ソ冷戦の終結、グローバリゼーションの進展、東日本大震災・原発事故、そして新型コロナウイルス危機などです。経済学者J・K・ガルブレイスが「通念の敵は観念ではなくて事実の進行である」と言ったように、エネルギー安全保障の通念や概念を変える事実の進行といえます。
エネルギー安全保障概念を規定する要素は、保障対象、リスクの種類、保...
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