米石油アナダルコ、オキシデンタルによる買収を協議
【ニューヨーク=中山修志】米石油会社アナダルコは29日、同業大手オキシデンタル・ペトロリアムによる買収について協議を再開すると発表した。12日に米石油メジャーのシェブロンによる買収を受け入れると発表したが、その後にオキシデンタルから提案された買収条件の方が有利だと判断した。シェブロンが買収提案を取り下げるかどうかが今後の焦点になる。
アナダルコは29日、「財務や法律顧問の意見も踏まえ、オキシデンタルの条件の方が優れていると取締役会で全会一致で決議した」と発表した。発表時の株価を基にすると、シェブロンは負債の引き受けを含め総額500億ドル(約5兆5000億円)、オキシデンタルは同570億ドルでの買収をアナダルコに提案していた。
シェブロンとの合意を破棄した場合、アナダルコはシェブロンに10億ドルの違約金を支払う契約になっている。アナダルコは「現時点ではシェブロンとの合意は効力が残っている」と説明している。
シェブロンのマイケル・ワース最高経営責任者(CEO)は26日の決算会見で「合意通りに買収が完了すると確信している」とコメントしていた。違約金を受け取って争奪戦から降りるか、新たな買収条件を提示するかを今後判断することになる。