中国の輸出、1~2月17%減 新型コロナで工場停止響く
輸入は4%減
【北京=原田逸策】中国税関総署が7日発表した2020年1~2月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同期比17%減の2924億ドル(約31兆円)、輸入は同4%減の2995億ドルだった。1~2月の2カ月分の比較では、輸出は16年以来4年ぶりの減少幅だった。新型コロナウイルスの感染拡大で工場の操業が停止した影響が鮮明に表れた。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は71億ドルの赤字だった。
税関総署は2月に予定した1月分の貿易統計の発表を見送り、1~2月分をまとめて公表した。
輸出を国・地域別にみると、米国(前年同期比28%減)、欧州連合(18%減)、日本(25%減)と主な相手先がそろって減少した。商品別では柱のパソコン(27%減)や携帯電話(16%減)が大幅に減った。
一方、輸入は減少したものの比較的底堅かった。国別ではベトナム(前年同期比24%増)やマレーシア(15%増)、米国(3%増)などからの輸入が堅調だった。半導体(5%増)や原油(15%増)といった主な品目も増えた。
一般に中国企業は春節(旧正月)前に原材料などの輸入を増やし、春節後に製品の輸出を増やす。1月24日からの春節休暇を前に輸入を膨らませ、その後に新型コロナの影響が中国全土に広がったため、輸入は減少幅が小さかったとみられる。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?