脱炭素2兆円基金 対象18事業を公表、水素や太陽光など
経済産業省は9日、脱炭素社会の実現に向けて企業の研究開発を支援する2兆円基金の配分対象となる18事業を公表した。洋上風力発電や太陽光発電の低コスト化や水素の供給網の確立、自動車用蓄電池の開発などで、今後、事業目標や配分金額などの詳細を決めた上で公募を始め、2021年度上半期にも事業に着手する。
経産省が6~8日、書面で有識者会議を開き、方針案を示した。20年末に政府がグリーン成長戦略に掲げた重点14分野を18事業に落とし込んだ。「グリーン電力」「エネルギー構造転換」「産業構造転換」の3分野ごとのワーキンググループ(WG)で、詳しい事業目標や配分金額などの詳細を検討する。エネルギー構造転換WGがまず15日に会合を開く。
有識者会議の今後の検討次第で、対象事業数が増減する可能性もある。総額2兆円のうち3割程度は、追加事業に備えて留保する。基本方針では、支援対象は従来の研究開発事業の平均を上回る200億円程度以上の規模を目安としている。
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