NY商品、原油が続伸 協調減産が続くとの観測で
【NQNニューヨーク=岩本貴子】30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比0.41ドル高の1バレル63.91ドルで取引を終えた。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国による協調減産が続き、当面需給が引き締まるとの思惑が広がった。
ロイター通信などが30日、「サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が、2019年末まで協調減産を継続する可能性があると語った」と伝えた。協調減産の期限は6月末となっている。米国による対イラン制裁の強化で原油の供給量の減少が見込まれるなか、需給が一段と引き締まるとみた買いが優勢になった。
産油国のベネズエラの政情不安が続くとの見通しも買いを後押しした。複数の報道機関が30日、「ベネズエラの野党指導者がマドゥロ政権へのクーデターを軍に呼びかけた」と伝えた。
ニューヨーク金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比4.2ドル高の1トロイオンス1285.7ドルで取引を終えた。30日発表された中国の4月の製造業購買担当者景気指数が2カ月ぶりに悪化し、景気回復が期待ほど強くない可能性があるとの見方が出た。リスク回避時に買われやすい金の上昇につながった。