みずほ銀行で新たな障害、外貨送金300件に遅れ
みずほ銀行は12日、新たなシステム障害で外貨建て送金が一部滞る事態が起きたと発表した。外国為替をつかさどる機器の一部に不具合が生じた。同日の午後7時46分までに正常化したという。2月28日に大規模なATMの障害が起きてから、約2週間で4件の障害が起きたことになる。
12日夜に記者会見した藤原弘治頭取は「トラブルが続いていることを極めて重く受け止めており、心からおわびします」と謝罪した。経営責任ついては「原因を究明し、再発防止に努めることが私に課せられた最大の責任だ」と述べた。
今回の障害は、11日午後11時39分に機器の一部が故障したのが発端となった。バックアップのシステムにもうまく切り替えられず、送金手続きの一部に遅れが生じた。
12日午前3時50分に機器の交換が終わってからも、取引データを照合する作業で遅れが出たという。藤原氏は機器の不具合が起きた詳しい原因については「究明中」と述べるにとどめた。
今回は主に法人顧客の外貨建て送金で約300件の遅れが生じた。例えば企業が国内にある取引先の口座にドル建てで振り込む場合、依頼を受けた銀行は午後1時までに振込先の銀行にデータを送信する必要がある。今回の障害でデータの送信が完了したのは午後6時ごろという。
振り込みが翌日付となれば、企業間の取引で実損が出る恐れもある。みずほ銀は当日付にできるよう相手方の銀行と調整するという。
みずほ銀は2月28日に定期預金のデータを移行する作業が引き金となり、大規模なATMの障害が発生した。一時は全国にある約8割のATMが動かなくなる事態になった。
さらに3月の3日と7日にATMやネットバンキングの障害が起きた。明らかになっただけでも約2週間で4件のトラブルが生じている。すべて原因は異なるという。相次ぐトラブルを受け、金融庁が立て続けに報告徴求命令を出している。
藤原氏は「それぞれのトラブルに因果関係は見いだせていないが、ハード面やシステム面も点検する必要があると痛感している」と話した。
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