中国・海航集団、米社の航空機リース事業買収 1兆円で
【香港=阿部真也】中国複合企業の海航集団(HNA)が米金融大手CITグループの航空機リース事業を買収する。買収額は100億ドル(約1兆円)。中間層の拡大や格安航空会社(LCC)の台頭で新興国の旅客需要が伸びるなか、成長分野と位置づける同事業への投資を加速する。
HNA傘下の航空機リース大手、アボロン・ホールディングス(アイルランド)が6日発表した。アボロンは発注分を含めて約430機を保有・管理するが、買収で910機に拡大。取引する航空会社は150社以上に増え、航空機リースで世界3位の規模になる。2017年3月までの手続き完了を見込む。
新興国の経済成長を追い風に、アジアの航空機リース業界では規模拡大の動きが相次ぐ。今年1月にHNA傘下の渤海租賃がアボロンを76億ドルで買収。6月には中国銀行子会社の中銀航空租賃が香港取引所に上場し87億香港ドル(約1200億円)を調達した。
米ボーイングは世界の運航機数が35年には15年比2倍の約4万5千機に増加すると予想。航空機のリース比率は50%以上に上昇するもようだ。