「なし崩し=少しずつ返す」、本来意味で理解は2割 文化庁調査
25日発表の文化庁の国語に関する世論調査で、「なし崩し」という言葉を「少しずつ返していくこと」という本来の意味で理解している人は全体の2割にとどまった。
「なし崩し」は「借金をなし崩しにする」などと使われる。国語辞典では本来の意味が最初に記述され、「なかったことにする」も併記されていることが多い。
「少しずつ返す」の意味だとしたのは19.5%で、どの年代でも20%前後にとどまった。「なかったことにする」は65.6%で、年代別では50~70%台だった。
「檄(げき)を飛ばす」を本来の「自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めること」としたのは22.1%。「元気のない者に刺激を与えて活気づけること」としたのは67.4%だった。
同庁はこうした結果について「言葉は時代や場所で変容していくもので、誤用とまでは言えない」と説明。その上で「人によって異なる意味で理解する可能性があると知っておくことで、コミュニケーションが円滑にできる」とした。
調査は2018年3月、全国の16歳以上の男女3579人に個別面接で実施。有効回答数は2022人だった。