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「ニッポン半導体」首位奪還遠く 東芝メモリ売却完了

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東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」が1日、米投資ファンドのベインキャピタル率いる「日米韓連合」傘下となった。筆頭株主はベインだが、東芝も4割の株式を持ち日本勢で議決権の過半を確保する。同社はかつて世界を席巻した日本の半導体産業の「最後のとりで」。しかし、韓国サムスン電子からの首位奪還の道筋はみえず、下からは中国勢が急ピッチで追い上げる。

東芝は1日、日米韓連合に対する東芝メモリの売却手続きが完了したと発表した。東芝に加えHOYAが出資することで日本勢が50.1%の出資を維持する。米原発事業で巨額の損失が発覚し、2017年2月に始めたメモリー事業の売却がようやく決着した。

サムスンの背中遠く

東芝メモリのNAND型フラッシュメモリー市場での販売シェアは17年で16.5%。世界2位とはいえサムスンの38.7%に大きく水をあけられている。新体制のもとで反転攻勢を目指すことになるが、いきなり冷や水を浴びせかねないのが足元のフラッシュメモリー市況の軟化だ。

フラッシュメモリー価格は2月以降、2割近く下がった。メーカー各社の相次ぐ増産で供給が増えた一方、中国などでスマホ出荷が急減し需要が減速したからだ。

フラッシュメモリーで保存されるデータ容量は22年には17年比5倍強に伸びるにもかかわらず、出荷額ベースの市場規模は横ばいにとどまると調査会社のIHSマークイットは推計する。フラッシュメモリーが値崩れするとの見方だ。17年度は過去最高の4500億円の営業利益を稼いだ東芝メモリだが、18年度以降も同じ水準の利益を出せる保証はない。

市場が減速し、収益が下振れする局面で投資を続ける「体力勝負」となれば、投資余力と経営体力に勝るサムスンの背中はさらに遠のきかねない。

競争の行方を左右するのがデータセンターのサーバー向け市場の攻略だ。東芝が1987年に開発したNAND型フラッシュメモリーは2000年代に入って普及が本格化した。成長をけん引してきたスマホ市場は頭打ち傾向にある一方で、データセンター向け需要が増えており、近いうちにスマホに比肩する市場となる。

高性能品を求める傾向にあるデータセンター需要の拡大を見据え、最先端の製造工場への投資競争が激しさを増す。サムスンは半導体メモリーのDRAMも含めた半導体事業全体に17年で約2.8兆円を投じた。韓国・平沢で最先端メモリーを製造する新棟を建設しており、中国・西安での専用工場建設も検討する。東芝メモリも17年度は過去最高の5800億円を投じて四日市工場(三重県四日市市)に新製造棟を建設中だ。20年に完成予定の北上工場(岩手県)には1兆円以上を投資する。

90年は上位に日本勢

半導体事業の売上高は1990年には世界上位10社にNEC日立製作所、東芝など6社の日本企業が名を連ねていた。17年で上位10社に入ったのは、メモリー事業を傘下に置いていた東芝のみだ。日本勢が得意とした高性能DRAMが世界的な価格競争にさらされ、日本の半導体メーカーは再編の末に淘汰されていった。

NEC、日立、三菱電機のDRAM事業を統合したエルピーダメモリは市況の悪化を受け12年に経営破綻。システムLSIを統合したルネサスエレクトロニクスは11年の東日本大震災とその後の円高で経営危機に陥り、大規模リストラに追い込まれた。

そのなか、東芝が競争力を維持できたのは、フラッシュメモリーを発明した企業として他社と一線を画す技術力があったからだ。

技術で先行できるか

今後も、世界での競争力を保つには技術開発で他社に一歩、先んじる必要がある。記憶容量を増大させるため記憶素子を積み重ねる多層化技術では、サムスンと東芝メモリの上位2社が競う。積層が64層の製品の量産化にサムスンが16年に成功すると、東芝メモリも半年遅れの17年初頭に量産化。さらに積層数の多い96層の開発着手はサムスンに先駆けて表明した。両社とも年内に96層の量産を始める見込みだ。

今後の成長分野となるデータセンター向けでは、サムスンに比べ東芝メモリは不利な点がある。DRAMを自前で製造していないことだ。パソコン需要が頭打ちになった01年に東芝はDRAMから撤退。しかし、足元ではDRAMの不足感が強いため、セット販売することで営業力が増す。「DRAMも展開するサムスンの方が有利」との声は多い。

下位からの追い上げも激しい。新興勢力では中国・紫光集団が32層のフラッシュメモリーの量産を予定する。現在、中国国内で建設を進める工場への投資額は破格の2兆円超とみられる。半導体産業を国策として育成する中国政府の手厚い支援を受けた猛追は脅威だ。

フラッシュメモリーの次を見据えた次世代規格の開発も始まっている。マイクロン・テクノロジーは15年に米インテルと共同でNANDと比べ処理が速い「3D Xポイント」メモリーを発表。19年に向け製品投入を増やし、メモリー盟主の座を狙う。

東芝はメモリー事業で3位の米ウエスタンデジタル(WD)との協業を続ける。この提携関係をどう生かしていくかが今後の勝敗のカギを握りそうだ。

半導体業界での市場や企業の浮沈の激しさは「シリコンサイクル」と呼ばれる。市場の潮流を読み誤った企業は退出を迫られてきた。東芝メモリが競争力を失えば、日本の半導体産業の世界での存在感は大きくしぼむことになる。

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