日本郵便、置き配で再配達6割削減 実験結果公表
日本郵便は5日、玄関先に荷物を届けて配達を終える「置き配」のモニター実験の結果を発表した。約1カ月間で約6割の再配達削減につながった。課題だった盗難はなく、横山邦男社長は3月に開始する「指定場所配達サービス」で受取先に玄関先を加える方針を示した。
実験は2018年12月、物流系IT(情報技術)スタートアップ企業のYper(イーパー、東京・渋谷)と協力し東京都杉並区で千世帯を対象に実験を行った。イーパーが開発した置き配向けのバッグ「OKIPPA(オキッパ)」を配り、どれだけ再配達を減らせるかデータを集めた。オキッパは南京錠で施錠され、ワイヤで玄関先などに固定されている。
1カ月の荷物量の総数は約6千個。大型の荷物や食料品などバッグで受け取れない事例はあったが、オキッパがなかった場合と比べて再配達を最大で6割減らせた。日本郵便の配達員50人に対して行ったアンケートでも、約95%がオキッパを「(配達先に)利用してほしい」と答えた。
モニター実験の参加者のうち約6割は週1回以上、ネット通販を利用していた。アンケートに回答した700世帯のうち、約3割が配達の待ち時間や再配達のストレスがなくなったと評価した。イーパーの内山智晴社長は「ヘビーユーザーの再配達を減らせば再配達率を大幅に下げることができる」と話した。