横浜・桜木町駅―新港ふ頭、630メートルロープウエー
JR桜木町駅と新港ふ頭を結ぶロープウエーの整備計画がみえてきた。全長約630メートルで、都心部では有数の長さだ。横浜市は整備事業者の泉陽興業(大阪市)などと事前調整を加速。3月末までに同社と協定を結び、事業化を正式決定したい考えだ。2019年度に着工し、20年の東京五輪・パラリンピックまでの営業開始を目指す。
具体的な検討を始めたロープウエーの仮称は「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマ・エア・キャビン)」。JR桜木町駅前広場から遊歩道「汽車道」沿いを通り、新港ふ頭の運河パークと結ぶ。停留所は桜木町駅前と運河パークの2カ所に設置する。
ゴンドラは36基つくり、全基車いすも乗れる。定員は8人。支柱は地上に2基、海上に3基つくる。地上30~40メートルの高さを運行する。運賃は未定。運河パーク側の停留所は近隣の商業施設「ワールドポーターズ」や歩道橋「サークルウォーク」の2階部分と接続することも検討している。
泉陽興業はみなとみらいの遊園地「よこはまコスモワールド」も運営しており、以前から市と調整を続けてきた。設置や運営にかかる費用は同社が負担する。
事業コンセプトは「街を楽しみながら移動できる交通サービス」。街の回遊性を高めるほか、ロープウエー自体を観光資源として楽しんでもらう。
ロープウエーの建設については、従来から近隣の一部事業者などの間で「景観が損なわれるのではないか」との声もある。横浜市は「これまで形成されてきた景観・デザインと調和し融合を図る」など基本コンセプトを設けて対応する。