NY商品、原油が反落 需要減見込みで、減産合意に反応薄 金は反発
【NQNニューヨーク=古江敦子】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の8月物は前日比2.84ドル(4.8%)安の1バレル56.25ドルで終えた。石油輸出国機構(OPEC)がロシアなど主要産油国と協調減産の延長で合意したが、原油需要の伸び悩みを懸念する売りが優勢となった。
OPECは2日、非加盟国のロシアなどと6月末が期限だった協調減産を2020年3月まで9カ月延長することで正式に合意した。1日はOPEC加盟国が定例総会で合意したのをきっかけに、相場は節目の60ドルを突破した。非加盟国との合意も織り込む形で相場が上げていたため、「重要日程を通過したことで、利益確定の売りが膨らんだ」(トラディッション・エナジーのジーン・マクギリアン氏)。
貿易摩擦で世界景気が減速し、原油需要が伸び悩むとの懸念が続き売りを誘った。米政府は1日、欧州連合(EU)への発動を検討している追加関税の対象規模を拡大すると発表した。米欧の貿易摩擦が激化する可能性が意識された。
金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である8月物は前日比18.7ドル(1.3%)高の1トロイオンス1408.0ドルで終えた。世界景気の先行き不透明感が根強く、現物資産の裏付けがある金先物に運用リスクを回避する目的の買いが入った。
外国為替市場でドルが主要通貨に対して下落し、ドルの代替投資先とされる金に資金が向かった面もあった。
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