電力10社の19年3月期、7社が最終減益 燃料費上昇で
電力10社の2019年3月期連結決算が26日、出そろった。電力小売りの自由化で競争が激化したうえ、燃料費が増えて採算が悪化した。東京電力ホールディングスや九州電力など7社が最終減益となった。
九州電の純利益は309億円と前の期比64%減った。暖冬で冬場の電力使用が減ったほか海外事業投資で評価損を計上した。東電HDは人件費や修繕費を削減し経常利益は9%増えたが、福島第1原発事故の賠償にかかわる国の交付金が減り最終減益となった。
一方、最終損益が改善したのは中部電力、北海道電力、北陸電力。中部電は電力販売量の減少などで経常利益が12%減ったが特別損失がなくなった。北海電は発電コストの安い水力発電所の稼働率が高まり採算が改善。北陸電は電気料金引き上げなどで3期ぶりに最終黒字に転換した。
20年3月期の利益見通しを示したのは8社で、うち関電や中部電など6社が増益を見込む。燃料費が減り採算が上向く。
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