NY商品、原油が3日続伸 サウジによるシーア派空爆で
【NQNニューヨーク=戸部実華】16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は前日比0.85ドル高の1バレル62.87ドルで取引を終えた。サウジアラビア主導の連合軍によるイスラム教シーア派への報復攻撃が伝わり、中東の地政学リスクへの警戒感から買いが優勢だった。
一時は63.48ドルと期近物として2週ぶりの高値を付けた。
サウジ主導の連合軍は16日、イエメンの首都にあるシーア派武装組織「フーシ」の武器庫などを空爆した。14日にフーシがサウジの油送管をドローン(無人機)で攻撃したことへの報復とされる。サウジのハリド国防副大臣は16日、ツイッターに「(送油管攻撃は)イランが命令した」と投稿した。米国とイランの対立が深まる中、米国の同盟国でイランと対峙するサウジも巻き込んで緊張が高まっている。
15日には米国務省がイランの隣国イラクの米大使館と領事館の職員に出国を命じた。一連の事態を受けて中東情勢を巡る警戒感が高まり、原油供給が停滞するリスクが意識された。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比11.6ドル安の1トロイオンス1286.2ドルで取引を終えた。16日朝発表の米経済指標が総じて市場予想を上回り、主要通貨に対してドルが上昇した。ドルの代替投資先とされる金先物には売りが優勢だった。
米株式相場が堅調に推移したのも実物資産の裏付けがあり、リスク回避の際に買われやすい金先物の売りにつながった。