伝統装束に身を包み厳かに 即位礼タイムライン
天皇陛下が即位を国内外に宣明される「即位礼正殿(せいでん)の儀」が22日、皇居・宮殿で執り行われた。儀式には約180の国や国際機関などから、王族や国家元首、閣僚らが参加。天皇、皇后両陛下や皇族らが伝統装束に身を包み、厳かな雰囲気で進められた。平成の代替わり以来、29年ぶりとなる儀式当日の動きを追った。
陛下、笑顔で応じる
午後3時ごろ、皇居での即位礼正殿の儀を終えた天皇陛下は、白バイに先導されながら車で正門を出られた。陛下は車の窓を開け、万歳三唱する市民に笑顔で応じられた。いったん赤坂御所に戻った後、夜の「饗宴(きょうえん)の儀」に出席するため再び皇居に戻られる。
宮内庁幹部、ほっと
午後2時1分、即位礼正殿の儀を終えた宮内庁の西村泰彦次長が次長室に戻った。雨がおさまり、一時は晴れ間ものぞいたことに「良かったです」とほっとした表情を浮かべた。
両陛下、松の間を退出
午後1時33分、天皇陛下が松の間を出て、剣璽を捧げ持つ侍従らを従えて回廊をゆっくり進まれた。参列者らは着席したまま見送った。続いて皇后さまも松の間を退出された。
礼砲が鳴り響く
午後1時25分、北の丸公園から自衛隊の部隊が礼砲。皇居周辺に鳴り響いた。
「即位を内外に宣明」
午後1時14分、黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)姿の陛下が参列者に姿を見せられる。皇后さまは十二単(ひとえ)。午後1時17分、天皇陛下がはっきりとした声で「即位を内外に宣明いたします」と述べられた。
鉦(しょう)の音響く
午後1時12分、宮殿内に鉦(しょう)の音が響いた。参列者が一斉に立ち上がり、儀式の行われる松の間の方向を眺めた。
雨弱まり、虹も
午後0時50分、伝統装束姿の秋篠宮さまら皇族方がゆっくりと宮殿の回廊を進み、松の間へ。賓客らは着席したまま、じっと前を見つめた。強かった雨は弱まり、雲の間から青空がのぞいた。
首相夫妻も到着
午後0時20分、安倍晋三首相が白いドレスの昭恵夫人を連れ立って宮殿に到着し、入り口で一礼して中へ入った。菅義偉官房長官も続いた。
相次ぎ宮殿入り
午前11時30分、ノーベル賞受賞者の大隅良典さんや、女子サッカーの澤穂希さんらが相次いで宮殿入りした。王貞治さんも到着した。正午前から元首相の森喜朗氏や小泉純一郎氏ら相次いで到着。小池百合子都知事もロングドレス姿でにこやかに姿を見せた。
参列者の案内始まる
午前11時20分ごろ、即位礼正殿の儀の会場となる宮殿内で参列者の案内が始まった。儀式は松の間で行われ、参列者は宮殿内の回廊と豊明殿、春秋の間、石橋の間の各部屋に分かれて儀式を見守る。
黒田清子さん、宮殿に
午前11時19分、上皇ご夫妻の長女の黒田清子さんらがバスで宮殿の車寄せに到着した。和やかな笑顔を見せながら宮殿に入っていった。
即位礼正殿の儀、雨天仕様に
午前11時過ぎ、宮内庁は即位礼正殿の儀について、雨天の方式とすることを決めた。晴天時は中庭に配置する予定だった古装束姿の宮内庁職員らの態勢を縮小し、宮殿の屋内などに配置する。中庭を彩るのぼり「旛(ばん)」は予定通り外に設置する。
宮内庁長官「滞りなく務めを」
午前10時36分、賢所大前の儀を終えた宮内庁の山本信一郎長官と西村泰彦次長が庁舎に到着。山本長官は「滞りなく務めを果たせるようにしたい」と力を込めた。
首相が拝礼
午前10時11分、安倍晋三首相が三殿に拝礼した。衆参議長ら他の参列者も続いた。
皇后さま、純白の十二単
午前9時43分、皇后さまも賢所大前の儀に臨まれた。純白の十二単(ひとえ)に、おすべらかしと呼ばれる髪型で参列者の前に姿を見せられた。
「賢所大前の儀」始まる
午前9時3分、皇居・宮中三殿で「即位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」が始まった。天皇陛下が即位礼を行うことを皇室の祖先に報告される宮中祭祀(さいし)となる。陛下は「帛御袍(はくのごほう)」と呼ばれる純白の束帯姿で賢所の回廊に姿を現された。
安倍首相や秋篠宮ご夫妻、宮中三殿へ
午前8時54分、安倍晋三首相のほか、衆参両院議長、閣僚らが宮中三殿に入った。同9時1分、秋篠宮ご夫妻はじめ、皇族方が宮中三殿に入られた。
「凜とした佇まい」
午前8時半ごろ、宮内庁が、両陛下の今朝の様子を発表した。両陛下は朝早く起床し、朝食を取った後に出発。皇后さまは「凜(りん)とした佇(たたず)まい」だったといい、天皇陛下が出発を見送られた。
陛下、皇居・正門に到着
午前8時17分、天皇陛下が白バイに先導されながら車で皇居・正門に到着された。スーツ姿で笑顔で会釈をされた。正門前は行き来が規制され、市民たちは正門から離れた沿道に立ち陛下に大きく手を振っていた。
宮内庁幹部「一生懸命やります」
午前8時10分、宮内庁のナンバー2、西村泰彦次長が登庁した。賢所大前の儀の準備の身支度のために次長室へ。「一生懸命やります」と表情を引き締めた。その後、正装に着替え、緊張した面持ちで賢所に向かった。
陛下、皇居へ出発
午前8時9分、天皇陛下がお住まいの赤坂御所(東京・港)を車で出て、皇居に向かわれた。歩道の市民らから拍手があがると、陛下は右手を上げ笑顔で応じられた。乗られていた車はセンチュリーロイヤル。
皇后さま、皇居に到着
午前7時11分、皇后さまが皇居・半蔵門に到着された。カメラや日本の国旗を手にした市民たちが次々に「皇后さま、おめでとう」と声をかけていた。皇后さまが天皇陛下より早く皇居に到着されるのは、この後の宮中祭祀で着用する装束の着付けに時間がかかるためという。
皇后さま、赤坂御所を出発
午前7時3分、皇后さまが皇居に向かうため、車でお住まいの赤坂御所(東京・港)を出発された。時折強い雨が降る中、雨具を着た市民らが歩道から「おめでとうございます」と声をかけると、皇后さまはにこやかに微笑み会釈で応じられた。
厳戒の都心、各地からは祝福
熱田神宮に参拝客
午前11時50分、「三種の神器」のうち草薙剣(くさなぎのつるぎ)が安置されている名古屋市の熱田神宮では奉祝記帳に多くの参拝客が列を作った。愛知県小牧市の男性(71)は「祝意を込めて、自分の名前を刻んできた。平穏無事な世の中になることを祈っています」と笑顔で話した。
首都高一部で通行止め
午前10時、首都高速都心環状線の霞が関出入口が警察車両や車止めで封鎖され、交通規制が始まった。電光掲示板には「閉鎖中」の文字。各国要人の移動のため、都心部では23日午前0時ころまで、首都高の複数路線や一般道で通行止めが続く。
福岡のゆかりの地に「令和の里」駅
午前10時、福岡県太宰府市の令和ゆかりの地、坂本八幡宮最寄りの西鉄天神大牟田線の都府楼前駅では、副駅名を「令和の里」と命名する除幕式が行われた。西日本鉄道の庄崎秀昭鉄道事業本部長は「記念すべき日に命名することができた」と話した。利用客らには太宰府名物の梅ヶ枝餅が配られた。
台風被災地「パレード延期、配慮うれしい」
午前10時、台風19号の大雨で千曲川が決壊し、自宅が一部浸水したという長野市穂保地区の女性(69)は「(両陛下の)姿がとても素敵。おめでたいことですね」と式典のテレビ中継に見入った。台風被害への対応に万全を期すため祝賀パレードが延期されたことには「被災者への配慮をうれしく思う」と話した。
訪日客「日本の伝統、興味深い」
午前9時50分、皇居に近い東京駅でも警備が強化されている。開催中のラグビーワールドカップ観戦のため南アフリカから来ていた男性(60)は「昨日、テレビを見て即位礼があることを知った。日本の伝統が感じられる特別な儀式だから、とても興味深い」と話した。
応援警察官2万6000人
午前8時25分、天皇、皇后両陛下が皇居に向かわれた後の赤坂御所周辺は、応援に駆けつけた福岡県警の警察官らが交通整理にあたっていた。この日は台風19号の被災地を除く各地から応援の警察官が動員され、最大で約2万6千人規模となる。
交通規制へ準備
午前8時20分ごろ、東京駅から皇居へ向かう行幸通りでは交通規制に当たる警視庁の警察官らが雨の中、準備に追われていた。都心では皇居周辺の一般道や、高速道路が規制の対象となる。
「この道は通れません。迂回してください」
午前7時30分、天皇、皇后両陛下が皇居に向かわれる道筋に近い永田町の大通りで、警視庁の警察官が交通規制を行った。警察車両や金属柵、三角コーンを並べ、訪れた車両に「この道は現在通れません。迂回してください」と呼びかけた。
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