杉原千畝の記念碑設置 イスラエル中部で式典
【ベイトシェメシュ=共同】イスラエル中部ベイトシェメシュの学校で2日、第2次大戦中に多くのユダヤ人難民を救った「命のビザ」で知られる外交官、杉原千畝(1900~86年)を顕彰する式典が開かれた。杉原からビザ発給を受けて迫害を逃れたイスラエル人の男性らも参加し、杉原への感謝を示す記念碑の除幕や植樹が行われた。
ベイトシェメシュ近郊では85年、杉原の功績をたたえて約400本の木が植樹され、記念碑も設置された。しかし今年になって植樹された木々が伐採され、記念碑も撤去されたことが判明。学校側が敷地内に新たな記念碑設置などを決めた。
13歳の時に杉原からビザを受け取ったベール・ショールさん(91)は「私たちの命を救ってくれた杉原の名前が刻まれた記念碑が再び設置されてうれしい」と喜んだ。
イスラエルでは1日の日没から2日の日没までがホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)記念日。第2次大戦中、リトアニア・カウナスの領事代理だった杉原は本国の方針に反し、ナチス・ドイツの迫害から逃れようとした2千人以上のユダヤ人に「通過ビザ」を発給、日本経由の避難を助けた。