姫路市とZMP、自動運転ロボで観光案内の公道実験
兵庫県姫路市とロボット開発のZMP(東京・文京)は2日、1人乗りの自動運転ロボットに高齢者や観光客らを乗せてJR姫路駅と姫路城の間を運行する社会実験を始めた。市は誰もが散策しやすい街づくりを目指しており、約1カ月の実験を通じて利用者のニーズを把握し、本格導入するかどうかを検討する。
実験にはZMPが開発した自動運転ロボ「ラクロ」3台を使い、姫路駅と姫路城を結ぶ大手前通りの歩道(片道約900メートル)を、時速約4キロメートルで20~25分ほどかけて走行する。ラクロは長さが約119センチ、幅が約66センチで、センサーやカメラで周囲の状況を認識して、障害物を回避したり赤信号で停止したりする。
月内に計約20日間、午前・午後にそれぞれ3時間ずつ運行する予定。誰でも無料で利用でき、インターネットで事前に予約するか姫路駅の北駅前広場などで直接申し込む。利用者はラクロの操作はせず、座席のモニター画面で観光案内の動画を楽しんだり周囲の景色を眺めたりする。緊急時の対応のため補助員が1人同行する。
2日午前に姫路駅前で安全確認の試験走行が行われた。試乗した姫路大手前通り街づくり協議会の岡本一会長は「揺れもなく乗り心地は快適だった」と話す。ZMPの谷口恒社長は「都市部の市民や観光客向けにラクロがどんな使い方ができるかを、姫路でモデルをつくって全国展開したい」と意気込んだ。
姫路市は今年春までに大手前通りをリニューアルし、歩道を充実させるなど徒歩や自転車で自由に散策できる街づくりに取り組んでいる。同時に足の不自由な高齢者らも街歩きを楽しめる手段として、自動運転ロボの導入を検討している。
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