NY商品 原油が小幅続伸、米中交渉の進展に期待 年間では3年ぶり下落
【NQNニューヨーク=森田理恵】12月31日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小幅に続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の2019年2月物は前週末比0.08ドル高の1バレル45.41ドルで取引を終えた。米中貿易交渉の進展に期待した買いが優勢だった。ただ勢いは弱く、下げに転じる場面もあった。
年間では25%下げて終えた。前年を下回るのは15年以来3年ぶり。
トランプ米大統領が29日、貿易摩擦を巡る米中交渉についてツイッターに「大きく前進している」と投稿した。米中摩擦が世界景気の減速につながり、原油需要の重荷になるとの警戒がやや和らいだ。
もっとも、実際にどこまで交渉が進んでいるか不明だ。原油需給の先行き不透明感は根強く、買いの勢いは限られた。利益確定売りから下げに転じる場面もあり、方向感は定まらなかった。
米エネルギー情報局(EIA)が31日に公表したリポートによると、10月の米原油生産が日量1150万バレルを超え、過去最高を更新した。前年同月と比べると2割近く増え、米国産原油の供給増に対する警戒感もある。
ニューヨーク金先物相場は5営業日ぶりに反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である19年2月物は前週末比1.7ドル安の1トロイオンス1281.3ドルで終えた。早朝の時間外取引では一時1286.5ドルと、6月中旬以来およそ半年ぶりの高値を更新した。
17年末と比べて2.1%安で18年の取引を終えた。ドル安を受けて高く始まったが、米株式相場が徐々に上げ幅を広げるなか、実物資産の裏付けがあり安全とみなされる金先物には利益確定売りが優勢になった。