エーザイ、製品化目前の認知症薬を開発中止
エーザイは21日、米バイオジェンと開発中のアルツハイマー型認知症の治療薬候補「アデュカヌマブ」について、臨床試験(治験)を中止すると発表した。3段階で進む治験の最終段階に入っていたが、十分な治療効果を証明できない見通しが強まった。認知症治療薬は世界の製薬企業で失敗が相次いでおり、開発の難しさがあらためて浮き彫りになった。
エーザイはアデュカヌマブを含む3つの認知症薬候補の治験を進めており、残る2つは開発を続ける。2018年に中間段階の治験で有効性を示した「BAN2401」は近く最終段階に進む。
認知症は高齢化などで患者数が増加しており、50年には世界で1億3000万人を上回るとされる。高い需要が見込めることから世界の製薬企業が競って治療薬の開発を進めているが、米ファイザーや米イーライ・リリーといった大手も相次いで失敗している。19年に入ってスイスのロシュも開発の中止を発表した。
関連企業・業界